磯 人 塾  

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我々遊漁者は水産動植物を自由に採捕できるのであろうか。

 
 原則的には、海面や河川水面は一般公衆の共同使用に供されてきた公共用物であって、
特定人による排他的支配の許されないものとされている(最判昭61、12,16)ので、公共
用物としての管理に服するほかは、原則として自由に利用することができ、水産動植物は、
採捕した者が所有権を取得し得ることが原則である(民法239条1項)。
 
 しかし、一定の水面に漁業権が免許され漁業権を侵害する行為が禁止されるほか、一定の
種類の漁業については、農林水産大臣または都道府県知事の許可を得なければできない
とされるなど、広範囲な規制が行われている。
 
 特に、遊漁(ここでは、「業として行なわない水産動植物の採捕」とする)に関しては、釣りや
徒手採捕などのごく限定された手段のみが許され、漁網の使用などは、内水面を除いて、
ほとんど禁止され、遊漁者の漁具・漁法に関しては、原則禁止で限られた方法のみが可能
という状態となっている。
 
★ 漁業法水産資源保護法とは・・・・
 
 これらの規制の根拠とされる法律は、漁業法水産資源保護法である。
 
 漁業法は漁業調整を目的とし、水産資源保護法は水産資源の保護培養を目的とするが、
これらの目的は交錯する。
 漁業法に基づく漁業の規制は、国際協定などの影響も受けるが、水産資源の保護培養の
観点からも行われている。
 
 また、都道府県の漁業調整規則*1は、漁業法および水産資源保護法の両者に共通の
下位規範として制定されているが*2、漁業法の下位規範の部分と水産資源保護法の
下位規範の部分を分離することはできない。
 
 結局、漁業・遊漁に関する法規制では、漁業法および水産資源保護法の両者とその下位
規範である都道府県漁業調整規則若しくは農林水産省令を一体として考えざるを得ない。
 本稿においても、「漁業法に基づく規制」、「水産資源保護法に基づく規制」などと区別せず
に、漁業・遊漁に関する法規制を概観する。
 

★ 漁業調整規則
*1
 都道府県知事の「漁業調整規則」は、「何年何県規則第何号」として、形式的には
地方自治法15条に基づく「地方公共団体の長の規則」とされている。
 
 漁業調整規則の制定は、漁業法および水産資源保護法で都道府県知事に委任された
国の事務であり、原則として都道府県議会が関与することはない。
地方自治法では第1号法定受託事務(同法2条10項、別表1)とされる。
 
 漁業調整規則に定められる罰則もこれらの法律で委任される(漁業法65条3項、水産資源
保護法4条3項)。
また、漁業調整規則の制定は、海区漁業調整委員会または内水面漁場管理委員会の意見
聴取と農林水産大臣の認可を要する(漁業法65条6項、同7項)。
なお、漁業調整ないし水産資源の保護培養以外の観点から、漁業調整規則によらず条例で、
漁業・遊漁に影響する規制を定める例が見られる。
 
 プレジャーボートの航行禁止区域などを定める県があるが、最近では、滋賀県が「琵琶湖の
自然環境」の保全を目的として、ブラックバスの再放流(リリース)禁止を条例で定めようとして
いることが注目される。
 
*2
 都道府県の漁業調整規則は、漁業法65条1項および水産資源保護法4条1項の両者を
根拠とする(各都道府県別にそれぞれ違いがある)。
 
★ 漁業調整規則の下位規則
※ 最近話題の滋賀県の例として上げれば
 
滋賀県漁業調整規則 第1条(目的)
 この規則は、漁業法(昭和24年法律第267号。以下「法」という。)および水産資源保護法
(昭和26年法律第313号)その他漁業に関する法令とあいまって、滋賀県における水産
資源の保護培養、漁業取締りその他漁業調整を図り、あわせて漁業秩序の確率を期する
ことを目的とする。
 

★ 漁業権 (漁業法10条)
 
 漁業権とは、定置漁業権、区画漁業権および共同漁業権をいう (漁業法6条1項)。
いずれも一定の水面で漁業を行なう権利で、水面の領域と対象水産動植物の種類を指定
して、都道府県知事により免許*3される (漁業法10条)
 
 定置漁業権は定置漁業(定置網などの漁具を定置して営む漁業。
原則として水深27メートル以上でそれに満たない場合は第2種共同漁業権による。
 
 漁業法6条2項、同3項)を営む権利であり、区画漁業権は区画漁業(一定の水域を区画して
行なう養殖業。
 
 漁業法6条2項、同3項)で、定置漁業ないし区画漁業は、それぞれ定置漁業権ないし区画
漁業権に基づかなければ営むことができない (漁業法9条)。
*3
 漁業権の免許は、特定の私人のための権利付与なので、その行政法的性格は特許とされる。
もっとも、漁村ないし漁民による地先水面の支配の慣行を漁協による漁業権に置き換えた歴史
があり、慣行的な地先水面の支配に権利性を強調するなら、漁業権免許の行政法的性格は
認証となろう。
 
 
 

 
★ 共同漁業権
 
 共同漁業権は、もっぱら漁協に免許される例で、次の5種類がある。
 
◆ 第1種共同漁業権 (漁業法6条5項1号)
 貝類、藻類のほか、ウニ・ナマコ・イセエビ・タコなどの定着性の水産動物を採捕する権利。
採捕の方法は問わない。
 
◆ 第2種共同漁業権 (同2号)
 刺網、小型定置網などの固定した漁具を用いる漁業。
最深部の水深が27メートル(沖縄においては15メートル)以上の場合は定置漁業となるので、
ここから除かれる。
 
◆ 第3種共同漁業権 (同3号)
 地びき網漁業と、これと性質を同じくする地こぎ網及び船びき網漁業、餌をまいてブリ等を飼付
ける飼付漁業及び人口の漁礁を築いて魚を集めてとる築礁漁業。
 
 人工魚礁等を設置して、そこに集まった魚類を随時採捕する漁業(つきいそ漁業)と一定の場所
に餌をまいて、そこに魚類を集めて随時採捕する漁業(飼付漁業)とがある。
採捕の方法は問わない。
 
◆ 第4種共同漁業 (同4号)
三重県等で行われている特殊な漁法の寄魚漁業と広島県等で行われている特殊な漁法の
鳥付こぎ釣漁業。
 
◆ 第5種共同漁業(同5号)
内水面における共同漁業権で、第1種共同漁業権でないもの。
 

漁業権の性格 (漁業法29条)
 
 漁業権は、物権とみなされ、土地に関する規定が準用される (漁業法23条1項)。
ただし、相続・合併などの包括承継の場合を除き、譲渡が禁止されるほか (漁業法26条)、
賃貸などの貸付けは禁止される*4 (漁業法29条)。
 
 もっとも、一定の種類の区画漁業権に関しては、他人(漁協または漁協連合会に限られる)
に漁業権を行使させるために、入漁権 (漁業法7条) を設定することができる。
 
 漁業権は、登記にかえて、「免許漁業原簿」に登録される (漁業法50条)。
 
★ 漁業組合は遊魚者から入漁料を徴収することが・・・・・
 
*4 (漁業法29条)
 
 漁業法は、入漁権の設定以外の方法で、他人に漁業権を行使させることを予定していない。
例外として、第5種共同漁業権の漁業権者が、遊漁規則に基づいて遊漁者から遊漁料を
徴収することは、漁業法の明文で認められている(後述の「内水面の場合」を参照)。
 
 そのほか、第1種共同漁業権の漁場で、料金を徴収して潮干狩りなどを行なわせることも
行われている(根拠条文はないがある種の「受忍料」と扱われている)。
 
 
 
 なお、事業者に免許された定置漁業権、区画漁業権と共同漁業権(漁業権者は事実上漁協
に限られる)および漁協に免許された定置漁業権、区画漁業権とでは、その性格に大きな違い
がある。
 
 前者は、抵当権の設定に知事の認可を要する (漁業法26条2項) などの制約があるが、
担保物権の設定が可能である。
一方、共同漁業権および漁協に免許された定置漁業権、区画漁業権は、地先水面に対する
入会(いりあい)の性格を有するため、担保物権の設定もできない (漁業法23条2項)。
 
 漁業権は物権とみなされる結果、漁業権者はその妨害を排除することができる。
遊漁者に限らず、ダイバーなども漁業権の行使を妨害する行為はできない。
単なる遊泳でも、漁業権対象魚種が漁場から逃げる結果となるなら、漁業権侵害となり得る。
 
 遊漁者に関して特に問題となる漁業権は、第1種共同漁業権および第3種共同漁業権であろう。
前者は、一定場所に定着する水産動植物、後者は、人工魚礁等または継続的なまき餌によって
定着させた魚類を対象とするので、対象となる水産動植物が漁業権者の所有物のように観念さ
れる。
 
 また、これらの共同漁業権では、採捕の方法を問わないので、遊漁者が漁業権対象動植物を
少量でも採捕すれば、ただちに漁業権の侵害となり得る (第5種共同漁業権に関しては後述
の「内水面の場合」を参照)。
 
 
 このように、漁業権は水面に対する強力な権利であるが、漁業を行なう権利に過ぎず、その水面
を排他的に支配する権利ではない。
 
 漁業権の行使を妨害しない態様での水面利用は自由である。
たとえば、第1種共同漁業権の漁場でも、遊泳は自由に行ない得ると考えられる。
第1種共同漁業権は定着した水産動植物を採捕する権利で、遊泳によってこのような水産動
植物が漁場から逃げることを考慮する必要がないからである。

★ 許可漁業
 
 一定の種類の漁業は、農林水産大臣の許可*5を受けなければ営むことができない
(いわゆる「指定漁業」、漁業法52条1項、漁業法第52条第1項の指定漁業を定める政令)。
 
 指定漁業として、沖合底曳網漁業など13業種が指定されている。
そのほか、中型まき網漁業などの4業種は、都道府県知事の許可を受けなければ営むことが
できない (いわゆる「法定知事許可漁業」、漁業法66条1項)。
 
 また、これらの漁業法で法定された規制以外に、漁業法65条および水産資源保護法4条の
規定により省令で、指定漁業とは異なる方式で管理できることになっている(いわゆる「承認
漁業」な)。
 
 このほか、都道府県漁業調整規則で都道府県知事の許可にかかる漁業が定められている
(いわゆる「一般知事許可漁業」)。
 
これらは、業として行なわわれる漁業に対する規制で、遊漁者には直接に関係することがない。
 
*5 漁業の許可
 
漁業の許可は、一定の種類の漁業を一般的に禁止し、行政処分によってその禁止を解除
するもので、行政法上の性格は許可である。
禁止の解除に過ぎないので、前述の漁業権と異なり権利性はない。

 


★ その他の規制
 
水産資源保護法は、爆発物および有毒物を使用した採捕の禁止 (5条、6条)、 遡河サケの
採捕の禁止 (25条) などの規制を定めるが、具体的な規制は都道府県の漁業調整規則に
よるものが多い。
 
漁業調整規則による規制は、前述の許可漁業のほか、非漁民の漁具漁法制限、禁止漁法、
体長制限、禁止期間、禁止区域などにわたる。
もちろん、都道府県により相当の違いがあるが、簡単に解説する。
 
なお、漁業権は物権とみなされるので、漁業調整規則によって漁業法に定められた種類以外の
漁業権を定めることは許されない (民法175条)。

 

◆ 非漁民の漁具漁法制限 (非漁民のみに適用、内水面を除く。)
非漁民が行える漁法が限定列挙されている。
「釣り、たも網及びさで網、投網、やす、は具、歩行徒手採捕」とされる例が多く、漁業権水面か
否かを問わず、非漁民はこれらの漁法以外で水産動植物の採捕はできない。
 
都道府県によっては、「竿つり及び手づり(まきえつりを除く。)」や「投網(船を使用しないもの
に限る。)」などと、さらに限定された漁法のみに制限されることもある。
ただし、内水面の場合はこの制限が規定されないことが多い。
 
◆ 禁止漁法 (漁民・非漁民を通じて適用)
発射装置を有するもり又はやす(いわゆる水中銃)の使用や水中に電流を通じてする漁法などが
禁止される。
 
内水面の場合は、これらに加えて、瀬干漁法(川干漁法)や通路の幅の5分の4以上を遮断して
行なう遡河性魚類の採捕の禁止などが規定される。
 
◆ 体長制限 (漁民・非漁民を通じて適用)
魚または貝について、種類ごとに一定の体長、全長または殻長以下の魚または貝の採捕を
禁止する形式が多い。
 
この場合、これに違反して採捕された水産動物の所持・販売も禁止されることが多い。
 
◆ 禁止期間 (漁民・非漁民を通じて適用)
一定期間の採捕を禁止するもので、種類ごとに禁止期間が設定される。
貝・海草類などの第1種共同漁業権の対象動植物のほか、淡水魚などの第5種共同漁業権の
対象動植物の種苗保護を目的とすることが多い。
 
◆ 禁止区域 (漁民・非漁民を通じて適用)
一定区域での採捕を禁止するもので、海面および内水面とも、すべての「水産動物」を対象と
するものが多い。
 
また、一定区域での特定の漁法(まき餌釣り)などが禁止される例もある。
 

 

★ 内水面の場合
 
漁業法で「内水面」とは、河川・湖沼などであるが、農林水産大臣が指定によって、海面と同―に
扱うべき湖沼、また内水面と同―に取り扱うべき海面がある (漁業法6条5項5号)。
 
湖沼のうちで、琵琶湖・霞ケ浦北浦・浜名湖・中海・加茂湖・猿澗湖・風蓮湖・厚岸湖は海面と
同じ取り扱いとされ、海面ではあるが湖沼に準ずるものとして指定されているものに久美浜湾
・与謝海がある。
 
したがって湖沼に関する漁業法で規定している内水面は、一部の湖沼が除かれる一方、一部の
海面を含むことになる。
 
内水面における漁業は、漁船などの大規模な設備を要しないため、専業漁業者が少なく周辺
住民の兼業的な魚介類採捕が伝統的に行われている。
 
また、漁場が狭く容易に採捕し尽くされる可能性があり、河川などでは稚魚放流等によらなければ
漁業が成り立たないことが多い。
 
このような内水面漁業の特殊性のため、漁業法では内水面漁業に関する特別の規定が置かれて
いる。
 
内水面においては、淡水魚養殖のために区画漁業権が免許されることがあるが、共同漁業権は、
藻類・貝類等の採取を目的とする第1種共同漁業権と魚類その他の水産動物の採捕を目的と
する第5種共同漁業権に限られる。
第5種共同漁業権の漁場では、原則として遊漁者を排除できない。
 
第5種共同漁業権の漁業権者は、稚魚の放流や産卵場造成などの方法で資源を増殖することが
義務づけられている (漁業法127条。ただし海面における第5種共同漁業権を除く)。
 
その一方、第5種共同漁業権の漁業権者は、都道府県知事の認可を受けた遊漁規則
(漁業法129条)によって遊漁者から遊漁料を徴収することができる。
 
漁法や漁獲の時期などに関する制限は、すべての漁業者や遊漁者に適用される漁業調整規則
を含む法令のほか、漁業権者である漁協の組合員に対しては漁業権行使規則により、遊漁者
に対しては前述の遊漁規則による。
漁業権行使規則と遊漁規則は、遊漁料の定めを除き、その内容がほとんど相同である例が多い。
その結果、誰でも遊漁料さえ払えば、漁業協同組合の組合員と同等の漁法で漁獲ができること
になる。
なお、遊漁規則には罰則を設けることができないが、遊漁規則違反は、漁業権又は漁協組合員の
漁業を営む権利の侵害 (143条) として20万円以下の罰金に処せれる可能性がある。
 
このように、第5種共同漁業権の漁場では、漁協は、漁業権行使のための団体というより、
漁場管理者としての性格が強い。
また、内水面漁業では、漁協の組合員でなく「遊漁者」として扱われる漁業者も多く存在すると考え
られる。
 
なお、内水面においては、専業漁業者が少ないことに応じて、漁業者の選挙による海区漁業
調整委員会にかわり、都道府県知事の選任による内水面漁場管理委員会が置かれる。
 
内水面に関する漁業調整規則*6は、海面に関する漁業調整規則と比べると、非漁民の漁具
漁法制限がなく(前述の「その他の規制」参照)、数種の漁法が禁止漁法とされているだけである。
 
漁具・漁法等に関する具体的な規制は、第5種共同漁業権の漁業権者である漁協が定める
漁業権行使規則と遊漁規則に委ねる趣旨と思われる。
また、最近の例では、ブラックバスの食害が問題にされ、「移植の禁止」が漁業調整規則に規定
されることが多い。
なお、漁業調整規則による禁止は、第5種共同漁業権の漁業権者を含めてすべての者が対象
となる。
★ 内水面における漁具・漁法等に関する規制
 
内水面においては、漁業法および水産資源保護法、これらの法律に基づく漁業調整規則のほか、
漁協が定める漁業権行使規則と遊漁規則の3段階の規制が行なわれている。
 
◆ 漁業調整規則 (農林水産大臣の認可による都道府県知事の規則)
  内水面漁場管理委員会(知事の選任)
◆ 漁業権行使規則・遊漁規則 (都道府県知事の認可による第5種共同漁業権者の規則)
 
*6 
内水面に関する漁業調整規則は、内水面専用の漁業調整規則である「何県内水面漁業調整
規則」を独立に制定される場合と、海面と内水面に関する規定を包括する「何県漁業調整規則」
が制定される場合がある。
 
◆ 内水面に関する規定を独立して制定する場合(東京都の例)
 
● 東京都内水面漁業調整規則 第2条 (適用範囲)
  この規則は、漁業法第8条第3項に規定する内水面に適用する。
● 東京都漁業調整規則 第2条 (適用範囲)
  この規則は、漁業法第84条第1項に規定する海面に適用する。
 
◆ 海面と内水面に関する規定を包括する場合(三重県の例)
 
● 三重県漁業調整規則 第2条 (適用範囲)
  この規則は、法第84条第1項に規定する海面(以下「海面」という。)及び法第8条第3項に
  規定する内水面(以下「内水面」という。)に適用する。
 
その他の例としては、「海面」、「霞ケ浦北浦」(海面と同―に扱うべき湖沼)、「内水面」に分けて
漁業調整規則が制定されることもある (茨城県)。
 
また、長野県や群馬県などの例では、単に「漁業調整規則」と称する規則において、その内容は
内水面に関する規定のみである(これらの県には海面がない)。

 

 


 レジャー・遊漁と水面の利用調整
 
 最後に、レジャー・遊漁の各場面を想定し、上記で説明した法律関係で問題となり得る事例を
例示する。
 
◆ 立入禁止の防波堤で釣りをした。
1.管理権者が立入を禁じた場所への立入は軽犯罪法1条32号の犯罪(拘留・科料)となる。
2.第1種または第3種共同漁業権の漁場の場合、その対象水産動物 (第1種共同漁業権の
  場合はタコ・イセエビなど、第3種共同漁業権の場合は餌付けした魚類)を釣獲すると
  漁業権侵害 (漁業法143条、20万円以下の罰金、ただし親告罪) となるほか、漁業権者
  に損害が発生したときは不法行為 (民法709条) となり賠償しなければならない。
3.体長制限、採捕禁止期間の規定に違反している可能性がある(都道府県漁業調整規則、
  罰則は6月以下の懲役または10万円以下の罰金の範囲で都道府県漁業調整規則による)。
 
  また、釣りの方法を問わず、あるいは「まき餌」などの特定の方法による釣りが、禁止区域
  の規定に違反していることもある(都道府県漁業調整規則)。
 
◆ 磯でアワビを徒手採捕した。
1.第1種共同漁業権の漁場の場合、アワビがその対象水産動物なら、漁業権侵害となるほか、
  漁業権者に損害が発生したときは不法行為となり賠償しなければならない。
 
2.体長制限、採捕禁止期間・禁止区域の規定に違反している可能性がある
  (都道府県漁業調整規則)。
 
3.潜水をともなう採捕を業として行なった場合は、素潜り漁業が一般知事許可漁業であれば
  無許可漁業となる (都道府県漁業調整規則、罰則は6月以下の懲役または10万円以下
  の罰金の範囲で都道府県漁業調整規則による)。
 
◆ 釣ったブラックバスを放流した。
1.禁止区域の規定に違反している可能性がある (都道府県漁業調整規則)。
 
2.場所的な移動をともなう場合は、移植の禁止の規定に違反している可能性がある
  (都道府県漁業調整規則)。
 
3.場所的な移動をともなわない場合でも、第5種共同漁業権の漁場では漁協の遊漁規則に
  反する可能性がある。
  この場合、漁業権侵害 (漁業法143条、20万円以下の罰金、ただし親告罪)となり得る。
 
  もっとも、漁業権者の損害は立証困難なので損害賠償を求められる可能性は低い。
  さらに、今後は条例違反も検討する必要がある。
 
◆ たも網でシラスウナギを採捕した。
1.体長制限、採捕禁止期間・禁止区域の規定に違反している可能性がある (多くの都道府県
  漁業調整規則でウナギの体長制限があり、種苗用の採捕として都道府県知事の許可を必要と
  する)。
 

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